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MIDIフットコントローラーについて

teshimaです。

特に何か購入の予定があるわけではないのですが、最近つらつらとMIDIフットコントローラーについて調べていたので思ったことを書きたいと思います。

MIDIフットコントローラーは、ラック機材や大型の機材を操作するためには欠かせない装置です。
PC、CCなどで機材をコントロールしてストレスなく扱うようにするためには重要な機材でもあります。

悩ましいのは、エフェクターやアンプと違って、「音に直接関わる」ことが一切ないことです。ギターの信号はMIDIコントローラー内を一切通らないわけで、「○○のコントローラーを使った方が音が良い」ということはあり得ません。
その一方で、機材によって操作感はかなり異なり、送れるMIDI信号の種類、操作できるパラメーター、電源など、いろんな条件が重なり合うことで、演奏に支障をきたすほどストレスがたまったり、スムーズに演奏できたりもします。ボタンやペダルが増えればそれだけ操作性は増しますが、反対に大きくなると運搬性は悪くなります。
音に直接は関わらないのですが、演奏には間接的に関わる機材なのです。


まずはよくある・見かけるMIDIフットコントローラーを列挙してみたいと思います。

i) BOSS FC-50(またはRoland GFC-50)
楽器店でラック機器を操作するときに出てくるコントローラーとしては定番かもしれませんね。スタジオではアンプのスイッチャーとして置かれているところもあります。
流通量も多いですし、中古市場でも良く見かけます。

エクスプレッションペダルや外部スイッチなどの拡張性も良く、パッチを切り替えるだけならもちろん問題なく動作してくれますが、個人的にはBOSS独特のフットスイッチの感触が好きになれず、またバンク切り替えを足でできない(指でおさないといけない)、A/Bスイッチで切り替えると、例えば1番のパッチから6番のパッチに勝手に飛ばされるなど、操作感はあまり良いものではありませんでした。

MIDIフットコントローラーの入門機としては良いかもしれません。
現在はRoland GFC-50という名前で販売されています(中身は多分同じ)。


ii) Roland FC-100
Rolandから出ていたFC-100というコントローラー。先のBOSS FC-50を2つ並べたような外観ですが、これの最大の落とし穴は、「フットコントローラー」ではあるが「MIDIフットコントローラー」ではないということです。

Roland独自のRRCという規格に則った製品で、これを使えば古いRoland製のラック製品をコントロールできるとのこと。また、MIDIとは違う路線を打ち出したかったのか、ケーブルだけで電源を取得できる他、対応しているエフェクターと接続すれば、FC-100にチューナー用の信号がケーブルを介して返されるので、別途チューナーのためにエフェクターから長いシールドを回してこなくていい、というのが売りだったようです。

残念ながらRoland製品以外は全然対応しなかったようで、今では製造されていません。
生産数はそんなに多くないと思われるものの、MIDIコントローラーと誤解して入手する人がいまだに後を絶たないようで、ヤフオクでは「最近入手しましたが」という言葉とともに出品されているのをちょくちょく見かけます。

MIDI信号に変換するコンバーターも存在したようですが、それを見つけ出してまでMIDIコントローラーとして使用するよりは他のものを入手する方がはるかに早くて簡単ですね。。。


iii) Roland FC-200
FC-100の後継機として出た、FC-200。こちらはきちんとしたMIDIフットコントローラーです。
バンクの切り替えスイッチもきちんと足で踏めるようになっており、ペダルもついています。操作性は非常に良いと言えます。また、PC(プログラムチェンジ)だけではなくNote信号も出せるので、これをシンセ音源などに繋いで足で鍵盤を鳴らすことも可能です。

自分も一時これを使用していました。
操作性は良かったです。良かったですが、見ての通りボタンが多いので幅を取ります。つまり重い、運搬製は悪いということです。。。またボタンの操作感などはFC-50から基本的には変わっておらず、個人的にはその感触に少し安っぽさを感じてしまうのでした。

例えばRUSHの様にベースを弾きながら足で鍵盤も鳴らして。。。というようなスタイルで演奏したい人にとっては良い選択肢かもしれません。


iv) Roland FC-300
FC-200の後継機、FC-300です。2列のボタン、フットペダルといったところはFC-200と似ていますが、
これはVG-99というギターシンセとの併用を念頭に作られたようで、RRC2という規格で接続する様です。
FC-200よりボタン数は少ないですがフットペダルが2つついているため、幅はFC-200とあまり変わらなさそうです。
つまり、大きい、そして重いというこです。。。


v) Behringer FCB-1010
庶民の味方、Behringerから出ているMIDIフットコントローラーです。
ボタン構成はFC-200とFC-300を合わせた様な感じで、またPCやCC以外にNote情報も送れるということで、なかなか安価でありながら高機能なペダルではあります。
ただ、Behringer製品を使ったことのある人間なら誰しも分かると思いますが、取扱説明書の説明が詩的で要領を得ないところが多く、使いこなせる様になるまでには少し時間と慣れが必要かもしれません。

また、ボタン数もペダル数も多いということは、それだけ重いということにもなります。。。


vi) YAMAHA MFC-10
これはとっくに廃盤になってる商品だと思ってたんですが、今回調べ直してみてまだ現役だと知ってびっくり!ヤマハから出てるMIDIフットコントローラーです。128種類のパッチを100バンク(!)も保存できるということで、ヘビーユーザーには向いていると思われます。BOSS/Roland商品とは違って丸型のボタンが可愛らしいですが、なんというか80年代からみた近未来という感じが拭えない気がするのは私だけでしょうか。
ボタン10個とフットペダルという構成はFC-200のライバルと言えそうです。
が、重量は重いというこです。。。



ここまでは中古市場などでも良く見かける、かなり定番のコントローラーを紹介してきました。FC-50以外はどれもボタン数が多く、重いものが多い印象です。

次に、最近見つけた比較的新し目のコントローラーを紹介してみたいと思います。


i) RJM Mastermind
比較的新し目の機種、Mastermindです。
FC-50よりはやや大きいですが、ボタンが違うからかだいぶ印象が異なります。バンクのアップダウンがフットスイッチでできるのはプラスではないでしょうか。
同じ機種をRemote Inに繋ぐことで2ヶ所から同時にコントロールできるというとこから、プロユースを想定したつくりのようですね。
値段が高めな点、やや大きくて重い、そして製造が終了している点がネックでしょうか。


ii) KEITH MCMILLEN SoftStep
ここまでの機種とはだいぶ違った見た目のSoftStep。
ボタンが柔らかくできて光っているだけではなく、そのボタンを踏み込む力加減でCCをリアルタイムに変更できる点が特徴です。なので例えばラックエフェクターのディレイのフィードバック量にCCを割り当てれば、強く踏み込むと発振したような音を出すことができます。
同じことはエクスプレッションペダルを接続すればできるわけですが、ペダルの角度ではなくボタンを押し込む力に反応する、というところが人気のようです。

ただ、これはパソコンにつないで使用する前提となっているようで、MIDIラックなどに接続したい場合には別途コンバーターを入手しないといけないのが面倒かもしれません(そういう意味ではFC-100に近い点かも)。
また、柔らかいだけあって、重量が600gと軽いのは魅力的かもしれません。



iii) PEAK FCB4X
今回紹介している商品の中では個人的に結構お気に入りの機種です。
名前をなかなか聞かないメーカーかもしれませんが、タイの新興メーカーのようです。オフィシャルサイトのURLを見る限り、2005年立ち上げのようですね。
ここまで主流だった5ボタンではなく、4ボタンにしたことで幅がコンパクトなこと、またそれでいて比較的安価なことが魅力です。
4ボタンは幅の面でも小型化できるのが良いのですが、MIDIのプログラム数(128)を考えると、個人的には5ボタンより4ボタンがベストだと思っています。5ボタンだと必ず26バンク目は3パッチしか使えないという妙な制約がつくので。。。
エクスプレッションペダルも接続できるので拡張性も良いです。ただ、ペダル専用のようで、タップスイッチのようなボタンは増設できなさそうなのは少し残念かもです。また、日本国内の楽器店では取り扱いがないため、直接メーカーから購入する必要がある、在庫数が少ないため中古市場でもあまり見かけないのが少し残念な点でしょうか。



iv) Meloaudio MIDI Commander
PEAKに続いて、こちらも個人的にお気に入りの機種です。
5ボタンに見えますが実際は4ボタン、バンクのアップダウンもスイッチでできる上に、何よりこれ単体で充電可能なバッテリー駆動という点が魅力できではないでしょうか。最近はZOOM製品など、USB充電できるものが増えてきましたが、USBハブにつないでおけば充電が完了するという点で非常に便利なので、魅力的と言えます。
これだけ多機能でありながら軽量で安価なのもプラスです。

唯一不安を感じるとすれば中国製ということでしょうか。ただ、最近は中国製であろうと良いものはいいので、もしかすると今後MIDIフットコントローラーのスタンダードになるかもしれません。


v) RJM Mastermind LT
さて、この記事を書こうと思ったキッカケの機種です。個人的には価格と後述の難点を除けば性能とサイズはパーフェクトといってもいいかもしれません。前述のMastermindの小型版・改良版です。
4ボタンでサイズはコンパクト、LEDディスプレイ付きで表示は豊富、外部接続ペダル・フットスイッチも豊富に対応、USB経由でPCに接続してのエディットも可能、それでいて重量は0.86kgと軽量と、性能だけみれば今回紹介した製品の中でダントツで多機能です。価格はどうしても高くなってしまいますが、軽量で多機能というのを極限まで突き詰めたモデルと言えるかもしれません。
もう一つだけ難点を挙げるとすれば、これが日本国内で流通していない点でしょうか。イケベ楽器でも、soundhouseでも、販売はおろか商品登録もありません。現時点では代理店からの直販のみ存在するようです。
この機種については気になったので代理店に直接問い合わせてみたのですが、製品のマニュアルの日本語化が間に合ってないので店舗に卸していない、という回答でした。ちょっと腑に落ちない感じもしますが、機能性はピカイチなので魅力的と言えます。



個人的には、在庫・流通の問題が気になるとは言え、meloaudioとMastermind LTが気になりました。その次にPEAKでしょうか。

以上、MIDIフットコントローラーについてのまとめでした。

(追記)
後になって記事を見返してみたらだいぶ長くなってしまっていたので、見やすいように表形式にまとめてみました。


メーカー/機種 サイズ(mm) 重量(kg) ボタン形式 販売価格 その他
BOSS/FC-50 423(W)
135(D)
40(H)
1.6 kg 1列6個
5パッチ
(販売終了) Roland
GFC-50と同等
Roland/FC-100 490(W)
180(D)
50(W)
2.4 kg 2列11個
8パッチ
(販売終了) MIDIではない
(RRC規格)
Roland/FC-200 600(W)
203(D)
47(H)
3.2 kg 2列13個
+ペダル1個
10パッチ
(販売終了) MIDI演奏可能
(NOTEモード)
Roland/FC-300 550(W)
250(D)
76(H)
5.2 kg 2列9個
+ペダル2個
5パッチ
38,280円(税込)
Behringer/FCB-1010 687(W)
221(D)
60(H)
3.5 kg 2列12個
+ペダル2個
10パッチ
18,150円(税込) MIDI演奏可能
(NOTEモード)
YAMAHA/MFC10 608(W)
215(D)
153(H)
3.52 kg 2列12個
+ペダル1個
10パッチ
27,280円(税込)
RJM/Mastermind 406(W)
152(D)
70(H)
1.8 kg 2列8個
5パッチ
(販売終了)
KEITH MCMILLEN
SoftStep 2
450(W)
105(D)
42(H)
0.57 kg 2列10個
+十字キー
10パッチ
38,720円(税込) USB接続
(専用コンバーターあり)
PEAK/FCB4X 262(W)
120(D)
50(H)
1.0 kg 2列6個
4パッチ
259ドル
(約2万8千円相当)
国内未発売
Meloaudio
MIDI Commander
262(W)
120(D)
65(H)
0.95 kg 2列10個
4パッチ
15,074円(税込) USB充電可能
RJM/Mastermind LT 292(W)
127(D)
70(H)
0.86 kg 2列7個
4パッチ
61,600円(税込) 国内流通僅少


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Author:nobuteshima
ここはギタリスト・作曲家のteshimaのギター的・音楽的日々を綴っていくブログです。ライブ告知、機材レビュー、ギターや音楽についてのことなどを書いています。
ソロプロジェクト「enigmatic blue」、音楽制作団体「Clown Clan」などで活動しています。サポートギター、アレンジ制作、音源制作の依頼なども承っています。
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