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ペダルボードの電源について理解できる、VCPIという概念

teshimaです。

先日見つけた動画で、面白いものがありました。
That Pedal Showというyoutubeチャンネルで紹介されていた以下の動画です。

That Pedal Show – How To Power Your Pedals Properly & The Legend Of VCPI


このThat Pedal Show(以下TPS)は、DanとMickというギタリストの二人が色々なエフェクターをレビューしたり、エフェクターの使い方を検証したりするチャンネルなのですが、このVCPIという考え方が分かりやすかったので今回紹介したいと思います。

VCPIとは、エフェクターやペダルボードに電源を供給する際に気をつけなければならない点をまとめた造語です。
V(Voltage=電圧)
C(Current=電流)
P(Polarity=極性)
I(Isolation=アイソレーション)

動画は全編英語で日本語字幕はないので、それぞれについて気をつけないといけない点を抜粋して翻訳してみました(一部補足あり)。


◯V(Voltage=電圧)
(電圧とは電気を送り出す圧力のようなもの。単位はV)
エフェクターの場合にはエフェクターを動作させるのに必要な電圧がそれぞれ決まっている。その電圧を正確に把握するべし。
通常は9Vだが、ものによっては24Vまで必要となるものもある。
100%の確信がない限り、受け入れ可能な電圧以上の電圧をかけてはいけない。エフェクターが壊れてしまう。
が、より高い電圧をかけることで音が変化するエフェクターも中にはある。
例えば(動画の中で使用している)King of Tonesの場合、18Vの電源を使用すると9Vよりももっとヘッドルームに余裕があり、クリアな音が出せる。
逆に空に近い、電圧の低い電池を使うと、その逆でより圧縮された音を出せる。
コーラスに対して使用した場合、9Vより18Vの方がよりたくさんのコーラスがかかる。

◯C(Current=電流)
(電流は、エフェクターが必要とする電気の量。単位はA、またはmA)
歪み系アナログエフェクターは一般的にはあまり電流量は必要ないが、大型のデジタルエフェクターなどは電流をたくさん必要とする場合もある。
ペダルボードを組む場合、使うペダルの電流量を全て足して、その倍の値の電流を出せるパワーサプライが必要。また、パワーサプライの各アウトポットがそれぞれ必要な電流を出せることも必要。
例えば、使用しているエフェクターの必要とする電流がそれぞれ15mA、60mA、90mA、400mAだった場合、それらを合計して565mA、それを倍にした1130mAを出力できるパワーサプライが必要となる。
パワーサプライの電流量がギリギリだった場合、出力される電圧は本来のものよりぐっと低くなってしまう。

◯P(Polarity=極性)
(極性にはACとDCがある。ACは交流、DCは直流。これを取り違えるとエフェクターは壊れてしまう)
DCの場合、センターマイナスとセンタープラスの2種類がある。
また、プラグにはサイズがあり、通常は直径2.1mmだが、ものによっては2.5mmのものもある。
(動画ではPlugとしてこの点も含めてPとしています)
一般的には、多くのエフェクターは
DC駆動、9V、センターマイナス、プラグ径2.1mmだが、中にはそうでないものもある。
例えば(動画の中で言及している)electro-harmonixのMemoryManは24V、2.5mmプラグ、センタープラスと、一般的な電源とは全て異なる。

◯I(Isolation=アイソレーション)
(アイソレーションとは電源を分離させること)
デイジーチェーン(DC分岐ケーブル)を使用した場合、複数のエフェクターへの電源を供給はできるが、アイソレーションはされていないため、全てのエフェクターが同じ電源を共有することになる。
その場合、デジタルエフェクターとアナログエフェクターが混在していると、デジタルエフェクターが電源ケーブルにノイズをダンプするため、それが他のエフェクターにまざってノイズが乗ることがある。
(この点については動画内の10:17あたりからアイソレーションしてない電源に切り替えてノイズが乗る様子を実験しています)
ノイズが出る場合には、Gigrig TIME LORDかGigRig Virtual Batteryを使用することで電源をアイソレートすることができる。


自分は以前何度かDC駆動のエフェクターにAC電源を突っ込んで破壊してしまった過去があるので、電源にはやや苦手意識があったのですが、今回の動画ですっかり仕組みを理解できた気がします。
エフェクターボードでのデジタルエフェクター由来のノイズというのに悩まされたことはないのですが、その際の解決策も理解できたので、この動画は本当に有用でした。

同じTPSのチャンネルの以下の動画(58:40あたりから)でも、エフェクターボードを組んでみたもののノイズが乗ってしまい、それを解消する様子が見て取れます(余談ですがこの動画もシンプルながら面白い内容なので見てみると良いです)。

Tips For Your First Pedalboard Build – That Pedal Show


調べてみたところ、自分が今使用しているエフェクターボードのパワーサプライはどうもアイソレートされているものではないらしいのですが、こういったノイズが出てなくてよかったです。
今後ノイズが出た時のためにこの点を覚えておこうと思います。

というわけで、珍しく動画の紹介記事でした。

teshima
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プロフィール

nobuteshima

Author:nobuteshima
ここはギタリスト・作曲家のteshimaのギター的・音楽的日々を綴っていくブログです。ライブ告知、機材レビュー、ギターや音楽についてのことなどを書いています。
ソロプロジェクト「enigmatic blue」、音楽制作団体「Clown Clan」などで活動しています。サポートギター、アレンジ制作、音源制作の依頼なども承っています。
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